百日咳(百日せき)とは?

しつこい咳が何ヶ月も続くようなら、もしかすると百日咳(ひゃくにちぜき)かもしれません。百日咳(百日ぜき)は、特有のけいれん性の咳発作(痙咳発作)を特徴とする急性気道、呼吸器かんせん症の一種で、百日咳菌により引き起こされます。
最近、百日咳の流行が注目を浴びています。百日ぜき菌には、リンパ球や赤血球、ヒスタミンを増やしたりメンエキ力を高める因子が含まれているのも特徴です。
なぜ百日咳(百日ぜき)というかというと、特に乳幼児の時期に危険性が注視されるのですが、この病気にかかると100日もの長い間にわたり咳が続くことが由来しています。
最初は風邪の初期症状にも見える症状が続き、そのうちに、主に夜間に喘息のように咳が発作的に長く続くようになります。喘息との違いは、喘息は気道(気管や気管支)が急に狭くなり呼吸困難に陥るという点です。また喘息は発作が起きなければ症状、生活上は通常の人と なんら変わりありません。
さらに喘息と違う点として強い咳と併発する症状のほかに、体力的にも悪影響を及ぼしたり、感染力が強いということが挙げられます。そのことから病院で受診の際にもあらかじめ連絡しておき、周囲にうつさないように準備してもらうという配慮も必要です。
(特に子供にうつしてしまうと、大変です。→子供の百日咳)
その他多くの場合、発熱はありませんが、短い連続的な咳き込みが途切れなく続くので、咳き込みによる嘔吐やチアノーゼ、顔面の浮腫、結膜充血などが見られます。
また咳発作は夜の方が起こりやすいので、不眠の原因になることもあります。
うつさないような配慮も必要ですが、一番はやはり自身がうつらないことです。そのためには、うがいやマスクの着用などが効果的です。特に咳を絶え間なくしているような人がいた場合にはうがいはきちんとしましょう。
百日咳の原因
◆グラム陰性桿菌の百日咳菌
◆パラ百日咳菌
という2つの菌の飛沫が原因により感染します。割合としてはグラム陰性桿菌である百日咳菌が原因であることのほうが多い。
ワクチン接種機関中に別の病気など、何らかの理由でワクチンを受けていない人での発病により流行することがあります。日本では三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)が1950年頃から実施され、発生数は減少しています。しかしここ数年発生数が急激に増加しています。→百日咳の流行
百日咳の治療(治療法)
百日咳の治療については個人では特定が難しいので、長引く咳や喘息などで医師にみてもらい、そこで発覚するということも多いでしょう。
治療についてもそのまま医師の判断で抗菌薬、抗生剤の投与に依ることになります。
百日咳菌に対する治療として、エリスロマイシン、クラリスロマイシンなどのマクロライド系抗菌薬が用いられます。これらは特にカタル期(初期に軽い風邪のような症状が続く時期)では有効です。
以下は国立感染症研究所内 感染症情報センターより、専門的詳細です。
通常、患者からの菌の排出は咳の開始から約3週間持続するが、エリスロマイシンなどによる適切な治療により、服用開始から5日後には菌の分離はほぼ陰性となる。しかし、再排菌などを考慮すると、抗生剤の投与期間として2週間は必要であると思われる。痙咳に対しては鎮咳去痰剤、場合により気管支拡張剤などが使われる。全身的な水分補給が必要なこともあり、また、重症例では抗PT 抗体を期待してガンマグロブリン大量投与も行われる。
予防では、世界各国がEPI (Expanded Program on Immunization:拡大予防接種事業)ワクチンの一つとして、DPT ワクチンの普及を強力に進めている。わが国で現在使われている無細胞百日咳ワクチンを含むDPT 三種混合ワクチンは、第1期初回として生後3 〜90カ月(標準的には生後3〜12カ月)に3回、及びその12〜18カ月後に追加接種を行い、第2期として11〜12 歳に、百日咳を除いたDT 二種混合ワクチンによる接種が行われている。
わが国の無細胞百日咳ワクチンの有効成分はPT とFHA が主であるが、その量比率はメーカーにより異なっている。さらに、それら主成分以外に凝集原、パータクチンを含むものもある。接種後の全身および局所の副反応については、従来の全菌体ワクチンに比較して格段に少なくなっている。
また、年齢、予防接種歴に関わらず、家族や濃厚接触者にはエリスロマイシン、クラリスロマイシンなどを10〜14日間予防投与する。
参考:IDSC:百日咳
